【第二話:カードの種類 〜スミレ編〜】  

 〜前回のあらすじ:それはアカン〜



「ど、どうしたのおにいちゃん・・・?」


「今、アイテムカードを半分入れるって聞こえたんだけど・・・。
 まさか本気じゃないよね・・・?」
 


「えっ・・・なにかダメなことでもあるの・・・?」



「確かに、キャラクターカードとアイテムカードは重要だけど・・・。
 その他にも重要な種類のカードは、いくつもあるんだ。
 まぁ、要するに…
特定の種類だけで構成されたデッキはバランスが悪いんだよ。」



「バランス?」



「そうだな・・・例を挙げてみよう。
 お前のデッキは40枚中40枚すべてが
【キャラクターカード】だとしよう。
 さて、デッキからカードを一枚引いたら、それは何のカードだ?」





「えっ?それはもちろん、【キャラクターカード】だよね?」

 


「うん、正解だよ。」



「さて、それでは本題に入ろう。
 40枚中20枚が【キャラクターカード】で、残り20枚が
【アイテムカード】だとする。
 その場合、デッキからカードを一枚引いたら、
 それは何のカードなのか分かるか?」
 



「えっ?それはもちろん、キャラ・・・えっ?
 でっ、でも・・・のこりはんぶんはアイテムカードだから・・・えっ?」
 


「・・・そう、それが正解だよ。」


「ど、どういうことなの・・・?」


「答えは【どちらも引く可能性がある】が正解だ。
 つまり、分からない・・・確率で言うなら、1/2だがな。」


「そうなんだ・・・。」 


さて、これで少し分かった事があるんじゃないか?」 


「・・・? 



「このカードゲームには様々な種類があるけど・・・。
 
同じ種類のカードをデッキに入れる枚数があまりにも多すぎると、
 
その種類のカードしか引けなくなってしまうんだ。




「うーん・・・たしかに、おにいちゃんのいうとおりだね・・・。
 でも、わたし、キャラクターがたいせつだってことしかしらないから、
 
どんなカードがあって、どんなときにつかえばいいのかわからないよぉ・・・。」

 



「ふっ、どんな種類のカードがあるのかは、今から教えてやろう。
 



「ほんと!?」 



「デッキと言うのは、色んなカードの中から、
 時間を掛けて、一枚一枚を選んで作る物だからね。
 デュエルをすると言うなら、スミレちゃんにも
本当のデッキ作りの楽しさを知って欲しいな。」 



うん!これからぜったいにがんばって、
 わたしだけの、ほんとうのデッキをつくってみる!」
 


「それでは、今から【カードの種類】についての説明を始めていくぞ。
 まず最初は
【キャラクターカード】からだな。」

【キャラクターカード】 



 【勇気のジャンゴ(ソル属性)】 太陽サイド

 効果:
このカードは太陽ゲージが1以上でなければ攻撃を行えない。
     このカードが攻撃をする時、
     太陽ゲージの分だけAPがアップする。

 OV:1ターンの間、このカードは相手カードの効果の影響を受けない。


 RARE:02   AP:08   DP:06



「あっ、おにいちゃんのカードだ!!
 キャラクターカードって、とってもじゅうようなんだよね?」


「その通り、基本的には相手にダメージを与える手段の、
 ほとんどがキャラクターカード
になるからな。」


「サポートカードや必殺奥儀カードでもダメージは与えられるけど・・・。
 ちょっと条件があったりするからね。



「おにいちゃんたちがそこまでいうってことは、
 やっぱり、とってもじゅうようなんだね・・・。」


 
「ちなみに、キャラクターカードは
 主に
【メインフェイズ1】【メインフェイズ2】で出せるぞ。
 フェイズについての説明は・・・スミレには難しすぎる話だから、
 まぁ、きっと別の機会に話す事になるだろうな。
 ところで、
キャラクターカードは1ターンに何枚まで出せるかは知っているか?」



「えっと、たしかキャラクターカードは、
 
1ターンに1かいしかだせないんだよね?」


「う〜ん、正解・・・ではあるんだけど・・・。」


「・・・?」


「お前が言っているのは通常召喚のルールの事だな。
 実は、
召喚方法にはもう一つあるんだ。」




 【暗黒少年サバタ(ダーク属性)】 太陽サイド

 効果:
このカードは太陽ゲージが1以上の時、直接攻撃できない。
     
相手キャラクターが自分の場の「ジャンゴ」と名の付くキャラクター、
     もしくは自分プレイヤーに攻撃した時、
     このカードを手札から特殊召喚し、その攻撃を無効にする事ができる。


 RARE:03   AP:06   DP:04



「あっ、サバタおにいちゃんのカードだ!」


「このカード、【暗黒少年サバタ】の後半部分の効果を見てるんだ。」


「こうはん?えっと・・・このカードをてふだからとくしゅしょうかん・・・?」


「うん、【暗黒少年サバタ】は特殊な条件を満たしているなら、
 手札から
特殊召喚と言う召喚方法で登場出来る効果を持っているんだ。」


「えっ?でもっ、しょうかんは1ターンに1かいまでだよね?
 それなら、
もうしょうかんしちゃっているなら、できないんじゃないの?」


 
「答えはNOだな。」



「えぇっ・・・?そ、それなら・・・。
 
つうじょうしょうかんが1かいまでだから、
 
とくしゅしょうかんも、1かいだけしょうかんできちゃうの?」 



良い所に目を付けたね・・・と言いたい所なんだけど・・・。
 残念だけど、それも違うんだ。」


「う、う〜ん?
 ど、どういうことなの・・・?」
 


 
「答えは、通常召喚は1ターンに1度までだが、
 
1ターンに何度でも出来るのが特殊召喚なんだ。」


えっ!なんかいでもいいのっ!?」 


「まぁ、フィールドに置けるキャラクターは5枚までだから、
 場に召喚出来るのも最大5体までのキャラクターだろうけどね。」


「すごい!そんなにしょうかんできちゃうんだ!!」 


 
「特殊召喚こそがこのカードゲームの鍵を握ると言ってもおかしくは無いだろうな。
 さて、次は
【アイテムカード】の紹介だ。」

 【アイテムカード】 



 【大地の実】 アイテムカード

 効果:ライフを5回復する。

 RARE:01



 
【アイテムカード】は、カードに書かれている条件さえ満たせば、
 どのような状況でも出せる、カードとしても例外になるカードなんだ。」


「どのようなじょうきょう?」 



「うん、本当にどんな状況でもいいんだ。
 
相手がドローフェイズでカードをドローする前に使ってもいいし、
 
自分のLIFEが0になりそうなAPのキャラクターカードが現れた時に、
 LIFE回復のアイテムカードを使ってLIFEの上限を増やしてもいい
んだ。」



「すごーい!やっぱりアイテムカードもじゅうようなんだね!!
 やっぱり、キャラクターとアイテムをはんぶんずつがいいんじゃないかなぁ。」
 


 

「待て待て・・・。
 話は最後まで聞くものだぞ?
 次に紹介するのは
【サポートカード】だ。」


 【サポートカード】 



 【いつも心に太陽を!】

 発動条件:自分の場に「リタ」と名の付くキャラクターがいる時。

 効果:以下の効果を1つ選択して発動する。
     ●山札から太陽サイドキャラクターを1枚手札に加える。
     ●太陽サイドキャラクター1枚はターン終了時まで戦闘破壊されない。

 RARE:06



「うわぁー!おねえちゃんがうつってるカードだー!」 


 

【サポートカード】は、発動条件さえ満たしていれば、
 基本的にアイテムカードと同じく、どのような状況でも発動出来るのだが・・・。
 サポートカードを発動する為には、
基本的に一度場に伏せたら、
 
次のターンになるまでは使えないんだ。
 その分、
アイテムカードよりも驚異的な効果があるカードだな。



「ばにふせる・・・?どこにふせるの?
 やっぱり、キャラクターとおなじところかなぁ?」


「・・・ん?」


「・・・アイテムカードの時に聞いておくべきだったけど、
 もしかして、キャラクター以外、置く場所を知らなかったりする?」


「うぅっ・・・そうだとおもうよぉ・・・。」 


「な、なぁに気にするな。そんな状態のお前でも、
 一目でカードをどこに置けばいいのか分かる物があるぞ。」
 





「うわぁー!モブちゃんがおいてたプレマットというのとおなじだー!」 


 

これを見れば、サポートやアイテムを、どこに置けばいいかも分かるだろう?」



「えっと・・・うーんと・・・Cのサポートゾーンかなぁ・・・?」


「うん、正解!」


 
「サポートカードやアイテムカードも、キャラクターと同じく、
 
基本的には最大5枚まで置く事が出来るぞ。」


「さいだい・・・?」



「特別なカードを使えば一部の上限を超えたり、
 
相手の場のサポートゾーンを使えるようになったりもするんだけど・・・。
 その話をするのはちょっとまだ早いから、忘れていていいよ。」



「さて、サポートとアイテムカードだが・・・。
 
置く場所は同じだが、この2つには大きな違いが存在する。 


「おおきなちがい?」


「さっきのアイテムの説明と、サポートの説明・・・。
 何か違うようなところが無かったかな?」



「うーん・・・アイテムカードは
じょうけんをみたせばどんなときにでもだせるカードで、
 サポートカードは、
じょうけんをみたさないと、はつどうできないんだよね?
 ・・・えっ?それって、おなじなんじゃ・・・。」



「良い所に気付いたな。」



「うん、その点は2つとも同じであってるよ。
 重要なのは、アイテムカードの
【どんな時でも出せる】という事と、
 
サポートカード特有の発動条件にあるよ。」




「・・・あっ!わかったー!
 サポートカードは
1かいばにふせないとつかえないけど・・・。
 アイテムカードは、
ふせなくてもいいんだね!」 




「その通り、サポートカードは強力な効果が多い為、
 その力を充電(チャージ)する為に、一度場に伏せる必要があるが・・・。
 
アイテムカードは、手札からそのまま場において発動出来るんだ。
 もちろん、
サポートカードと同じく、場に伏せて置いてもいいぞ?




「まぁ、場に伏せちゃった場合、
 
サポートじゃなくてアイテムでも、次のターンに入るまで使えなくなるから、
 
基本的には伏せるメリットはあまり無いんだけどね・・・。」 



「そうなんだ・・・。」


「さて、次に紹介するのは【フィールドカード】だ。」 

 【フィールドカード】 



 【死の都イストラカン】

 効果:暗黒サイドカードが場に出た時、ライフを1回復する。
     トランスが特殊召喚に成功してから墓地へ送られる
     規定の効果のターン数を、3ターンから1ターンに変更する。

 RARE:02




「わぁ〜!はじめてみるカードだ〜!」


【フィールドカード】は、自分だけでなく、
 相手にも影響を及ぼす可能性があるカードだ。」


「たいせんあいてにもえいきょう・・・?」


「まぁ、簡単に言ってしまうと、使うタイミングによっては
 逆に相手を有利にしてしまう可能性もあるカードという事だね。」


「そうなんだ・・・それなら、あまりいれたくないかなぁ・・・。」


 
「おいおい・・・確かに相手が有利になってしまう時もあるが・・・。
 
自分が有利な時に出してしまえば、基本的には圧倒的に有利になれるんだぞ?」


「うーん・・・なんだか、あんまりイメージがわかないよぉ・・・。」 



そうだね・・・それじゃあ、スミレちゃんが見せた、
 太陽サイドだけで出来た40枚のデッキで言うなら・・・このカードはどうかな?」






 【太陽の街サンミゲル】

 効果:暗黒サイドキャラクターのAPは2ダウンする。
     自分ターン開始時、
     自分の場の太陽サイドキャラクターの数だけライフを回復する。

 RARE:05




 

【太陽の街サンミゲル】は、暗黒サイドキャラクターのAPを-2ダウンさせ、
 そして更に、
自分ターン開始時に、自分の場に居る太陽サイドの
 
キャラクターの数だけライフを回復する事が出来る。」



「えっと・・・どういうこと?」



「スミレちゃんのデッキで言うなら、
 ターン開始時に自分の場にキャラクターが倒されずに残っていれば、
 
一人につき、+1のライフを回復出来るという事だね。」



「うわぁー!それはおとくだね!!」 


 

「そして、
相手が暗黒サイドキャラクターしか扱わないデッキの使い手なら、
 
相手のキャラクターのAPを-2ダウンする事も出来る・・・。
 話を聞く限りでは、このカードがあるだけでも、
 その知り合いの女の子とのデュエルは変わっていたと思うぞ?」




「うーん・・・たしかにそうだったのかも・・・。
 フィールドカードも、とってもだいじなんだね・・・。



「相手にもメリットが発生する可能性があるという事は・・・。
 
相手にしかデメリットを与えない事も出来ると言う強力な効果だからね。
 状況次第では、本当に厄介なカードばかりが多いよ。」




 
「さて、次は【必殺奥儀カード】だな。」

 【必殺奥儀カード】 



 【ブレイジングショット】

 効果:ターン終了時まで使用キャラクターのAPは3アップし、
     守備表示キャラクターを攻撃した時、
     APとDPを上回った分だけ相手にダメージを与える。

 RARE:05




【必殺奥儀カード】は、発動出来る状況が、ターン中に
 非常に限られているアタックフェイズ用のカードだ。」


「あたっくふぇいず・・・?」



「フェイズの説明はやっぱりちょっと難しいから今回は忘れていいよ。
 ボクもさっき教えて貰ったばかりだし・・・。
 まぁ、アタックフェイズは簡単に言ってしまうと、
 
キャラクターが攻撃をする時の事だけどね。」



「あっ、それならわかるかも!」



「必殺奥儀カードの使い道は・・・まぁ見ての通り、
 戦闘で相手のキャラクターに勝つ為の効果が多いな。
 
必殺奥儀カードもアイテムカードと同じく、場に伏せなくても発動出来るから、
 基本的には手札に入れておいた方がいいな。」




「おくばしょも、アイテムやサポートとおなじだね!」


「それじゃあ次は、【トランスカード】だね。」

【トランスカード】 



 【暗黒の化身ダークジャンゴ(ダーク属性)】 暗黒サイド

 効果:
このカードが相手キャラクターを戦闘破壊した時、ライフを3回復する。
     1ターンに1度、このカードのAP分ライフを払う事で、
     その半分以下のAPを持つ相手キャラクターを全て破壊できる。
     この効果を使ったターン、自分は攻撃できない。


 RARE:08   AP:16   DP:12




「あっ、クロちゃんみたいなおにいちゃんだー!!」


(ビクンッ!!)


「・・・おにいちゃん、どうしたの?
 かお、あおくなってるよ?」



「・・・。」
クロとトランス・ダーク状態のせいで、
 あの悪夢のミニゲームを思い出してしまったようだが、
 スミレにはくれぐれも内緒だぞ・・・。




「・・・?」



「じゃ、ジャンゴは置いておいて・・・。
 【トランスカード】は、
通常のキャラクターカードを特定の条件を満たす事により、
 エクストラデッキから特殊召喚出来る特別なキャラクターだ。」



「えくすとらでっき・・・ひだりしたにあるばしょのことだね。」


「ルールにもよるが、エクストラデッキには最大10枚まで置く事が出来る。
 今の所、特にデメリットも無いから置いた方がいいだろうな。」



「・・・そういえば・・・モブちゃんがさいごにしょうかんしたあのカードも、
 たしか、エクストラデッキからっていってたなぁ・・・。
 でも、あのカード・・・トランスカードというなまえじゃなかったよ?」



「それは【アルカナカード】だな・・・。」

【アルカナカード】 



 【幾千の万象を知る星読みのザジ(フロスト属性)】 太陽サイド

 効果:
1ターンに1度、以下の効果を1つ選択して発動できる。

     ●山札から好きなカードを1枚手札に加える。
     ●相手サポートゾーンのカードを全て表にし確認できる。
       更に次の相手ドローフェイズにドローした
       カードを確認する。


 RARE:10   AP:08   DP:10




「わぁ〜!このカードとてもつよそう〜!!」


「その通り、【アルカナカード】はカードの中でも群を抜く存在・・・。
 アルカナカードが場に一枚あるだけで、デュエルの展開は一気に変わるだろう。」


「たしかに・・・わたしのライフも、いっきにけずられちゃったもん・・・。」



「さて、だいたいのカードの説明はこのようなものだな・・・。
 これでどのようにしてデッキを作ればいいのか分かったんじゃないか?





「う、うーん・・・どのカードもとってもつよそうだからいれたいよぉ・・・。
 でも、そんなまいすうをいれたら、バランスがわるくなっちゃうから・・・。
 えっと・・・えっと・・・。」




「そうそう、そうやって悩む事こそがデッキ構築のおもし・・・。」



ふ、ふえぇーん!!ぎゃくにえらべないよぉーっ!!



「     」



「あまりにもカードの種類が多すぎて悩みまくってしまったスミレちゃん。
 果たして、バランスの良いデッキを作るには・・・?

 次回の講座、
【デッキ構築のバランス】にご期待ください!」  


企画/作成(C)Futuers Werber-Northern イラスト(C)Boktai Malen-こうろやさん  

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